あなたは 「近視=目が悪い」 と思っておられませんか?
多くの日本人が近視です。 それでは質問です。


@
質問 : 「日本人は昔から近視が多かったのでしょうか?」

  
反論 : 「織田信長らの安土桃山時代は、切り取り自由の時代でしたので、そのころ近視の百
                姓・武士達は、遠くから鉄砲や弓矢でやられてしまっているでしょう。つまり、近視人、
                近視の家系は滅亡していると考えられませんか?」

A
質問 : 「近視は遺伝するのでしょうか?」

  
反論 : 「上記@からすると、なんかおかしくはありませんか?」

B
質問 : 「近視は老眼になりにくいのですか?」

  
反論 : 「中年になると、なぜ近視の方は、眼鏡を外して本を読むのでしょう?
               逆に、目の良かった人は、 なぜ老眼鏡がなければ、
               近くが見えなくなるのでしょうか?」

   → だんだんとこんがらがってきましたネ? それでは、なぜ近視になるかを考えてください。

            詳しくは、日本眼科医会HP 『メガネの話』  『子供の近視』





   
以下は、私個人の考えも入っておりますので、多少間違っていたり、推測をしすぎていたりするかも知れませんが、大筋ではあっていると思います。皆様のご参考になりましたら幸いです。

   なお公式見解として、私が所属している会や、他眼科クリニック(http://ganka.com/topics/020510.html)・病院の説もリンクしています。勉強好きな方はどうぞ。



★昔の「ヒト」の目

   昔、ヒトの祖先はアフリカ等のサバンナ地方に住んでいたと考えられています。 牙もなく、腕力も強くないヒトの祖先が、外敵から身を守るためには、背丈の低いブッシュの間から、遠くにいる敵を敵より早く見つけ、樹上など敵(例;豹)の届かないところに逃げることが必要でした。(ちなみに今でも、エチオピアのアビシニア高原では、豹の餌の1/3は猿類とも言われています。)
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   そのため、昔のヒトの祖先は、遠くがよく見える目=「
遠視」であったと考えられます。
今でも、小学校就学前の児童が、基本的に遠視であることはその名残と考えられます。

                                        


★現在のヒトの生活と目

   しかし、自然採取型の生活に代わり、今の日本では朝から晩まで、室内にて居住し、 仕事は文字の操作を中心とする生活を送っております。(韓国、シンガポ−ル、 米国東・西海岸、英国、ドイツなどの工業〜情報先進国なども同様です。)
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   小学校4年生位から、文字を読み始め、且つ、操作し、65歳の年金生活を営むまで、 主として室内での文字を中心とする生活を送らざるを得ません。このような近くを見る 作業を「近業」と言います。
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   生活時間の70%位は室内であり、仕切り板・壁より遠くは見えず、あるいは、見る必要がなく、近業を選択するわけですから、自然と眼球のピントは近くにあってきた方が楽に決まっています。そこで、「目のピントが近くになっている」ような身体的変化、即ち、適応がおこってきます。これが、「
近視化現象」です。

   現在の日本国民の平均近視度数は−3.0〜−3.5Dです。5メ−トルの距離で、0.1程度の視力ですが、近くでは1.0あります。視力というと、5メ−トルの距離での遠見視力を多くは表しますが、正確にはある距離での視力という限定付きですので、間違えないようにして下さい。
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   つまり、上記のような生活をする現代人は、基本的に近視化しやすい状況にあるわけで、75%近くの人が近視に変化するのは、室内にすむ「近現代人の適応現象」かもしれません。つまり、「遠くを見る視力を犠牲にして、近くを見る事を楽にしている」のです。しかし、「便利さよりも、不便さの方を数倍感じやすいのがヒトのサガ」ですから、不便な事、つまり、遠くが見えにくいのを、「目が悪い」と言うのでしょう。

私は、「目がわるい」という表現は、軍隊の表現だと思います。 軍人は、野外で悪条件下の困難な戦闘に従事します。つまり、陸軍なら砂漠、ジャングルや泥地で、海軍なら荒れ狂う波しぶきの中、空軍なら不安定な空中で、作戦に従事しなくてはなりません。そんな時には、遠視の方が絶対的に優位です。敵より早く見つけて、敵を早く殲滅する事が軍人の基本な仕事ですから。

   つまり、「
近視は兵隊として都合が悪いのです」つまり、B・C級、兵隊採用基準では、甲種合格でなく、乙種、或いは、丙種な訳です。さらに、軍人は若い時しかつとまりません。35〜40歳ころになると、除隊といって後備・予備役に回されます。つまり、お役ご免=リストラされると言うことです。野球選手と同じです。(ちなみに、兵隊以外の士官では、近視はそんなに問題されなかったとおもわれます。)

以上の事から基本的には、眼鏡を掛ける事と、近視の進行は無関係な事がおわかりかと思います。

また、近視眼鏡も25歳〜30歳くらいで進行が止まることから、おわかりかと思います。
そうでなくては、お年寄りほど、分厚い眼鏡装用にならなくてはなりません。

さらに、眼鏡やコンタクトレンズを掛けたり、外したりしても、近視の進行には無関係 な事もおわかりと思います。

   あなたの近在で、結婚以来ここ何年も、車の運転時か、外出時のみ、眼鏡かコンタクトレンズを装用している若奥様がいるはずです。つまり、近視が進んでいないから、そのようなオン−オフの生活が可能なわけです。

   つまり、「
眼鏡=靴」みたいなもので、西洋人みたいに靴を四六時中履いていても、日本人のように脱いだり、履いたりした生活を送っていても、ある程度の年齢になれば、体の大きさに従って、足の大きさが決まってくる事と、基本的には同じと思います。 また、遠くをよく見たいと思えば、遠用眼鏡(=近視眼鏡)を掛ければいいし、見たくないと思えば、掛けなくてもかまいません。ただ、靴を履けば、戸外での仕事が能率良く、楽にできます。靴を履くから足が大きくなるのでもなく、履かないからと言って小さくなるわけでもないでしょう。


★老視とは、「眼の老化」現象

35歳頃から出現し、40歳過ぎで顕在化

しかし、大学を出て、25歳になりやっと一人前になって10年もたった35歳には 老視(最大平均+3.5D)入ってきます。今まで「目の良かった人」は、近くが見えに くくなってきます。

つまり、遠視眼の方は近くが見づらくなってきますが、近視眼の方は、変わらず裸眼でデスクワ−ク、文字の読み書きができます。
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目も歯も老化が35歳くらいから始まっているのです。子宮の機能も、骨梁の骨塩量も低下してきています。髪に白いものが混じり、お酒にも弱くなってくる年齢がこの年なのです。大厄がこの付近の年齢であるのは当然かもしれません。 40歳を過ぎますと、まず近くから遠くを見たときにピントを合わすのに時間がかかり始めてきます。(ここで軍隊の予備・後備役設定の妥当性がおわかりだと思います。)
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そのうち、近くの文字が見づらく、離しても見にくくなってきます。 つまり、「
老視の顕在化」が起こってきます。ここで遠視眼の人は商品名バリラックス(=累進焦点眼鏡)を開始するのが、一番良いのですが、眼鏡なんかは掛けると老視がすすむなんかと言って我慢されてしまいます。
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それでも、45歳を過ぎますと、近視の人は眼鏡なしでも近業が可能ですし、累進焦点眼鏡を掛けることも簡単にできますのに対して、元来、遠視の人は、近用眼鏡(=昔の老眼鏡)装用が必要に成るにもかかわらず、なかなか、眼鏡を掛ける生活習慣への切り替えがうまく行きません。累進焦点眼鏡をかけて生活するなどという事は、ほぼ至難の業にちかくなって来ます。

*平均的老視の加入最大度数は,約+3.5Dです。近視の平均度数が-3.5Dでしたね。プラスマイナス=0になります。つまり、平均的近視の方は近業時には、一生眼鏡なしで生活できる事を意味しています。


★結局『近視とは何か?』

年をとっても、近くが楽に見える目が近視なわけです。確かに「遠方視時、都合が悪い目」ですが、現在の主たる業務の「近業時には都合が良い目」であり、室内で生活するのには、ト−タルすると近視の方が便利なのでしょう。

結局、『近視とは、将来、近業時に必要となる老眼鏡を、思春期に眼に組み込む作業』と、考えられます。

比較的軽い近視の時は、睡眠しているときだけ、近視を軽減する点眼薬を処方します。近視が心配な方はこれを指し続けるのも一法かも知れません。効果は30%の方にあるでしょうか?確かに眼鏡装用開始時期が遅くなります。診察は適宜で結構です。 ただ、煩わしさからでしょうか?殆どの患者様は継続点眼を中断されます。

また、最近は、『ドリ−ムレンズ』と言う特殊な酸素透過性ハ−ドコンタクトレンズを夜間だけ装用して、昼間は裸眼で過ごすという治療法?も世界的に始まっています。
当院でも、徐々に始めています。詳しくは「
ドリ−ムレンズ

都合が悪ければ、コンタクトや眼鏡をして、矯正したら良いわけです。イヤならしなくても良いです。最終的に本人が自分の人生を考えて決定すればいいと思います。

だからといって早くから近視になる必要もありません。
自然の流れで近視になれば、それはそれなりの意味があります」と言うのが結論です。

近視矯正の手段:
コンタクトレンズ ≫ 眼鏡眼鏡、
或いは、初期には夜間装用『ドリ−ムレンズ』

コンタクトレンズの選択:

使い捨てソフトコンタクトレンズ  ≫  酸素透過性ハ−ドコンタクトレンズ   ≧  ソフトコンタクトレンズ